CB Collection 六本木「MOVING ニュー・メディア・アート展」

id:zaikabouさんのエントリーを拝見して、こりゃ面白そうだ、と行ってみた。

日毎に敵と懶惰に戦う - CBコレクション六本木『Moving(ムービング)−ニュー・メディア・アート展』

東京タワーのふもと、ロシア大使館の近くの角に立ってる黒いビル。あー、そういえばあるなー、と思い出した。

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白井晟一設計による「NOAビル(ノアビル)」というビルらしい。

白井晟一……? 誰? と思って検索してみたところ、渋谷の松涛美術館白井晟一の設計らしい。

あとこれ、白井晟一設計親和銀行東京支店(銀座店)取り壊し - 建築家小林英治のエッセイ - Yahoo!ブログ

このビル、去年取り壊されたらしいんだけど、東銀座のあたりの晴海通り沿いのビルでしたっけ? (ついこないだも通ったんだけど……このビルもうないんでしたっけ? 辛子明太の看板を見たような記憶が。)

名前は存じ上げなかったが、調べてみると白井晟一設計の建物は認知してるものがいくつかあった。どれも外壁にお金がかかっていそうだ。

で、その白井晟一設計、ノアビル1Fで開かれているこの展覧会。土日祝日は予約が必要らしいんだけど、7月28日(土曜日)、つまり今度の土曜日は予約無しで入れるらしい。(俺が行ったのも、今月頭の予約無しでいける土曜日だった)

コンテンポラリーアート CB COLLECTION 六本木 | CB コレクション

メディア・アート作品が20点ほど展示されている、ややこじんまりした展覧会だが、「映像作品が多いのですべて鑑賞すると1時間ほど」要するとのこと(この↑ウェブサイトより)

展示作品をいくつか紹介すると、まず、ジュリアン・オピー(Julian Opie)の動く顔の作品。

弐代目・青い日記帳  | 近美で逢えるジュリアン・オピーの新作

こちら↑で青い日記帳さんが紹介されているのと似た仕組みの壁掛け作品。

Christian Marclayの映像作品 Telephones も面白い。

あーこれどっかで見たなー、と思って帰ってきてから色々検索したんだけど、これ↓

ふたたび伝説となれるか、Appleがアカデミー賞で「iPhone」のCM公開 (MYCOMジャーナル)

ITmedia News:Apple、iPhoneのCM「Hello」を公開

これにそっくり。んで、さらに色々検索してみると

the iPhone commercial that had originally aired during the Oscars was a cut and dry ripoff of a film that had come out more than a decade earlier.

(中略)

This time the muse happens to be experimental artist / musician Christian Marclay, who in 1995 produced Telephones, an abstract film of absurd and fragmented conversations cut up from phone scenes in movies.

(中略)

Apple approached Marclay to use his work. Marclay, of course, refused Apple's advances, but Apple took advantage anyway.

要約: アカデミー賞の中継で放映されたAppleiPhoneのCMは、10年以上前に作られた映像作品のパクリ(ripoff)

AppleはMarclayに作品使用の許可を求めたがMarclayは拒否。

Adgadget: Apple - flattered and photocopied

一方でこんな意見も。

I dont see the Apple "Hello" ad as a "rip-off" at all. I see it as a derivative of Christian Marclay's "Telephone" not a "complete rip-off". Isn't all art a derivative of some other art? If anything the "Hello" ad is an Homage to Marclay - not a "rip-off". I think he probably loves what the agency did based on his earlier contribution. The ad is in fact a distinctly different piece of art.

#381の発言より

「"rip-off"では無いと思う。rip-offではなく、derivative(派生した二次創作、みたいな意味?) 」

http://forums.macrumors.com/showthread.php?t=282919&page=16

かなり微妙な感じ。とにかく、この展覧会で見られるのが「ぱくり元」

Sylvie Fleuryの映像作品 "Strange Fire" も面白い。

ハイヒールを履いた顔の見えない女性の足が、(クリスマスツリーの飾りの?) 銀色の中空の玉をサクサク踏んづけて壊しながら歩き回る映像作品。

女性らしさを強調した顔の見えない女性が踏んづけているのは男性だろうか?

カラッポで中身が無く、さらに表面は鏡のように周囲を映し出すだけ。踏んづけられれば簡単に砕け散ってしまう、これはまさに現代の男性を象徴しているといってよいだろう。

こんな足でこんなことをすると、足を怪我するんじゃないか? そんな余計な心配もしてしまう。(ほんの一瞬、足から血が出ているように見えたが……) いちいち割ってまわらずに、よけて通ればいいのに、とも思うが、そうはできない現代社会の一段面を表現した作品。(だろうか?)

ふと、こんなブログのエントリーを思い出した。はてなー(はてなユーザー)向け映像作品といえるだろう。

「MOVING」展
会場: CB コレクション
スケジュール: 2007年04月27日 〜 2007年07月29日
住所: 〒106-0041 東京都港区麻布台2-3-5 NOAビル1F
電話: 03-3584-0760 ファックス: 03-3584-0761