ムラタ有子展 (世田谷区池尻・IID Gallery) 石田徹也展(六本木 CBコレクション)

今日は、世田谷ものづくり学校というところでやっているムラタ有子展、六本木でやってる石田徹也展などに行ってきた。

世田谷ものづくり学校というのは池尻大橋と三軒茶屋の中間ぐらいにある、旧池尻中学校の建物を利用したデザイン関係の施設らしい。

で、その前に池尻大橋といえば……ということで、ものづくり学校にいく前に建設中の首都高大橋ジャンクションを、まず「視察」

首都高大橋ジャンクション

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この大橋ジャンクション、用賀と都心環状線を結ぶ首都高3号線と、来年完成する首都高中央環状新宿線(5号池袋線、4号新宿線と3号線を結ぶ新しい地下高速道路)のつなぎ目にあたる部分なんだけど。(ちなみに4号線と交差するのは初台のオペラシティのとこ)

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中央環状新宿線は地下、3号線は空中を通っているので、行き来するには円形の道路をぐるぐる何周もして上がり下がりしなくてはいけない。んで、排気ガスや騒音が漏れるとイヤなので、ほとんどの部分がトンネル状密閉空間になっている、と。

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(クリックで拡大) なかなか立派な建築物。出来上がりが楽しみ

参考: 首都高大橋ジャンクション

ムラタ有子展・世田谷ものづくり学校

で、そっからちょっといったとこ、三宿の交差点を曲がってすぐのとこにあるのが世田谷ものづくり学校。はりきって午前中に行ったんだけど、結構人が多かった。3周年記念のイベントをやっていたせいかも。(フリーマーケット的な物販イベントだった模様)

施設内のカフェはオープン直前の時間帯、お客(乳母車を押したお母さんが多かった)が行列作ってたので、普段から混雑してる施設なのかもしれない。

そのカフェの向かいにあるのが展示スペース。"nowhere picnic"と題した展示で、ピクニックをイメージして会場には芝生が敷かれている。作品は動物が描いたものが多い。馬、鳥、ペンギン? などなど。

ex-chamber museumさんのレビューが会場写真もあってわかりやすい。

ex-chamber museumさんのページの一番上の写真、これ洞窟の中のこうもりの絵なんだけど、「なかなかいい雰囲気だなー、小ぶりだし、こういうの、一家に一枚あると……」と値段を見てみると、むむむむ……な感じだったので、とりあえず、会場で販売されていた来年のカレンダーを買って我慢することにした。

ムラタ有子の描く動物達は静かにたたずみ、風景はディテールを奪われてほとんど「アブストラクトに近い」

空疎なほどシンプルな構成と淡い色彩は独特の浮遊感をかもし出しているが、その一方で大胆な筆ムラが画面全体を覆っている

……ムラタ自身にとって「かわいい」かどうかは問題ではないようだ。……簡素な世界の「静けさ」こそムラタ有子の目指す世界であり、その中に「渋い」という美的な質を見出している

(展覧会図録より)

正直俺は「渋い」とは思わなかったが、きめの粗い筆遣いで抽象画のごとく描かれた動物達が、静かな背景の中に存在している、なかなか趣のある絵であった。とにかく描かれた動物たちより筆遣い(筆致)自体が印象に残る「絵らしい絵」。描かれている対象、表現しようとしていることとは別のレイヤーとして、絵画という表現自体に対する意識があって、それが筆致に表れている、のだろうか。

ムラタ有子 「Nowhere Picnic」
会場: IID Gallery
スケジュール: 2007年09月07日 〜 2007年09月24日
住所: 〒154-0001 東京都世田谷区池尻2-4-5
電話: 03-5481-9011 ファックス: 03-5481-9012

その後、六本木 CBコレクション で開催されている石田徹也展へ。

石田徹也展・六本木CBコレクション

石田徹也の絵はテレビで見たり、本屋で平積みになっている画集(の表紙)で見かけたりしたことはあったけど、じっくり見るとウツになりそうな気がして、本屋では手にとって立ち読みしたことはなかった。

で、このCBコレクションで初めてじっくり見てみたんだけど、なかなかpessimisticな世界が広がっていた。

この回収っていう絵、これは人生を工場にたとえているのだろうか? (出荷 = 出棺、みたいな)

ベッドの下に川が流れる絵の不安感もなかなかであった。

顔と手が流しの陶器になっている作品「体液」は、実際の絵を見てみると、あごの下や手の下の影が非常に陰鬱な感じがする。ほかの作品も、影の部分からぞっとするような陰鬱なオーラが感じられる作品が多かったような気がする。

しかしこのCBコレクション、随分たくさんの(十数点)石田作品を収蔵しているんだなあ、と受付のお姉ちゃんに聞いてみたところ

  • 展示作品は全部CBコレクションの所蔵作品。
  • CBというのはコレクションしてる人のイニシャルではないと思う
  • 凄い大富豪なんだと思う。IT系じゃないかと思う(と言っていたが、根拠は不明)

お会いになったことはあるんですか? と聞いてみたところ

  • 若い方のようだ
  • 同じ部屋にいたらしいが、一緒にいるときには気づかなかった。あとであの人がコレクションのオーナーだと聞いてへーと思った。(おじいさんかと思っていたので気づかなかった)

と、会ったんだか会ってないんだかよくわからなかったが(俺の定義でいえばこれは「会ったうちには入らない」と思うが)、とにかくチャーリーズエンジェルのチャーリーみたいな謎の紳士がコレクションのオーナーさんらしい、ということはわかった。

謎の深まるCBコレクション、今後の展開に注目していきたい。

石田徹也 「小さな展覧会」
会場: CB コレクション
スケジュール: 2007年09月08日 〜 2007年11月24日
休館日:日曜・祝日
住所: 〒106-0041 東京都港区麻布台2-3-5 NOAビル1F
電話: 03-3584-0760 ファックス: 03-3584-0761