SPACE FOR YOUR FUTURE展・東京都現代美術館

あまり期待せずに見に行ったが、面白かった。わかりやすくて面白い展示多数。

ヘリウムで浮かぶ、重さ1トン、4階建てビル相当の巨大アルミ製、箱型風船。すげー。

参考:

沢尻エリカの100変化。100通りのファッションで撮影された沢尻エリカが壁面いっぱいにずらり。「100 ERIKAS」

参考: どすこい喫茶セガール : エリカ様登場!

沢尻エリカといえば、「別に……」騒動の前は、高城剛と付き合ってるらしい、ってニュースで名前を見かけた程度で、それ以前は、全く知らなかったが、これはよく撮れている。さすがモデル。澤田知子のセルフポートレートも嫌いではないが(好きだが)、やっぱり沢尻エリカはかわいらしい。沢尻エリカファンには見逃せない展示だ。

(追記: これは携帯の広告がもとみたい。←このページの「100人の沢尻エリカ Enter」をクリックすると広告バージョンをみることができる)

エルネスト・ネトの着ぐるみクッション、

参考: ernesto neto is considered one of the absolute leaders of brazil’s contemporary art scene. (このページの下のほうのHumanoidsというやつ)

さわっていいか監視員に聞いたら、これ着られるんですよ、とか言われて、いや、サイズ合わないみたいなんでいいです、と断ったのに、いえいえ伸びますからとか言われてムギューっと押し込まれて、脱ぐとき窒息するかと思った。さらに監視員に声をかけたときはまわりに人がいなかったのに、嫌な汗かいて、やっとこ着終わって、気づいたらまわりに人がいっぱいいたのも気まずい。

それはともかくとして、建築関係の展示も面白い。SANAA設計の家、住んでみたいなーこういうの。

こういった、わかりやすい面白さだけでなく、テーマに沿った展示物がうまくそろっているように感じられるのもこの展覧会の良いところ。キュレーションがうまいと思う。

テーマは空間と身体の関係、みたいな感じだろうか。自分が身を置く空間と、そこでの自分のふるまいの関係などについて、色々考えさせられる作品が多い。

例えば、足立喜一朗の電話ボックス型ディスコ。(これかな?)

BLESS (Desiree HeissとInes Kaagによるファッションブランド?) のサッカー映像のインスタレーション。 (参考: BLESSのウェブサイト。 このサイト上で今回の展示物と同じ映像作品(の一部)が見られるみたい)

空気の存在を浮かび上がらせる、カーステン・ニコライのインスタレーション「フェーズ」など。

空気といえば、この展示、屋外にもダイキン(空調の会社)提供の展示物がある。この↓箱みたいなやつ。

100_1605

また、「100 ERIKAS」の展示では、解説小冊子(エリカ様の写真数点あり)が配布されていたが、その解説文も面白い。カリフォルニア工科大学下條信輔氏による文章らしい。

人格と外見って、どう関係してるの。っていうか、ほんとのワタシって何なの。

何が「ほんと」で何が「にせもの」なの。それとも何が仮面で、何が素顔なのか。
自分でもわからない。たまーに悪いことが重なってブチ切れたり、酔っ払ってからんだりしたときに限って、「あれがアイツのほんとの性格よ」なんて陰口たたかれたりとか、ない?
でも外見って、たいせつよね。らしい性格、ってあるし。美人には美人らしい、わがままで高慢だけど、それなりに素直な性格……

これは「別に……騒動」の前に書かれたのか、後に書かれたのか気になる。

……あとは、ファッション。これってホントたいせつ。あのね、私、お嬢様ルックに身を固めると、ほんとにお嬢様性格で心も固まる気がする。(中略) でもそれって、まわりがそう扱うからなのかなあ。だとすると、私の性格をまわりが決めてるってこと? でもそれもなんだか変。

で、しばらく読んでいくと、

「人格。カントらによって定式化された哲学の概念。転じて心理学の専門用語である『パーソナリティ』の訳語として使われるようになった。」なんていう話に展開していく。これはお得な小冊子だ。

……というわけで、パッと見も面白いし、展覧会のテーマについて、じっくりと色々と考えるのも楽しいという、よく企画された展覧会だと思った。

常設展はポップアート特集。奈良、会田、それにトニー・アウスラーの作品も展示されていたが、あれもポップアートなんだろうか。よくわからないけどまあいいか。大岩オスカール幸男の作品が見られたのが良かった。

展示を見た後は図書室で読書。

Warriors of Artっていう本を読みたかったんだけど、棚になかった。残念。(検索すると開架ってなってるんだけど、誰か読んでいたのかな)

英文版 ウォリアーズ・オブ・ジャパニーズ・アート - Warriors of Art

英文版 ウォリアーズ・オブ・ジャパニーズ・アート - Warriors of Art

しょうがないので、目に付いた「アートの仕事」という本を斜め読み。


会田誠の話より、ミヅマの藤城さん(現無人島プロダクション)の話のほうが面白かった。藤城さんかっこいい。で、今回の企画展、実は、図書室にも展示物がある。(これは無料で見ることができる) なかなかお洒落な本の作品。

色々ともりだくさんで東京都現代美術館を満喫しました。

「SPACE FOR YOUR FUTURE」展
会場: 東京都現代美術館
スケジュール: 2007年10月27日 〜 2008年01月20日
12月24日、1月14日は開館、但し12月25日、1月15日は休館。
住所: 〒135-0022 東京都江東区三好4−1−1
電話: 03-5245-4111