開放的な自閉空間? パラモデル

今、都内各所で見ることができる「パラモデル」の作品。全部まとめて紹介してみる。

パラモデルってのは、東大阪生まれ、京都市立芸術大学出身の男性二人によるアートユニット。

プラレールを床、壁、天井にバーっと張り巡らせた作品で有名。

赤坂アートフラワー展

まず、赤坂TBS周辺で開かれている「赤坂アートフラワー展」

Akasaka Art Flower 08 - 赤坂アートフラワー08|akasaka Sacas

青山通り沿いの「旧赤坂小学校」の体育館での展示。

天井に張り巡らされているのがパラモデルの作品。中央のふとんの山みたいなのは小沢剛の作品。この写真は準備してる最中に撮影したものだろうか?

俺が初めてパラモデルの作品を見たのは、確か、横浜のBankARTだったような気がするけど(去年だったかな?)、そこで見たときと同じような印象。「すごーーい」という感じ。

何がどう凄いんだ? とか聞かれたら答えようがないけど、とりあえず凄い。わーっと広がってるし、みたいな。

この展示は13日(月曜)まで。

この展覧会、会場が数箇所に分かれていて、歩いて全部周ると結構ある。あと、今回の展覧会とは関係ないんだけど、TBSのすぐ横にフンデルトヴァッサー(フンデルトワッサー)の作品があるのを偶然見つけた。これも面白かった。


「赤坂アートフラワー 08」展
会場: 赤坂サカス
スケジュール: 2008年09月10日 〜 2008年10月13日
住所: 東京都港区赤坂5-3-1 赤坂サカス

「都市のディオラマ」展

で、次。渋谷の東京ワンダーサイト。「都市のディオラマ」展。

ここではプラレール作品だけでなく、ちょっと違った感じの作品も見ることができる。

塩ビのパイプをつなげて立体的に展開した作品。

この写真は、数日前、tumblr.を彷徨ってて見つけたもので、今回の渋谷での展示の写真ではないと思うが、雰囲気はだいたいこんな感じ。(どこで展示した作品だろう?)

これはプラレールの作品とはちょっと違って、「すごーい」ってだけじゃなく、じーっくり、はしっこから、はしっこまで見てしまった。

うまく言葉にならないんだけど、自分の世界に閉じこもって、一日中パイプをつなげて遊んでたら楽しいだろうなぁ、みたいな。

別の言い方すると、よく「地図を見るのが好き」とかいう人がいるけど、じーっと地図を見て「こっちの町からあっちの町に道がつながっていて……」「こっちにも道があって……」とか、熱心に地図を見ている瞬間、一瞬他人の存在を忘れて地図を見るのに夢中になってしまう瞬間、そんな感覚を思い出してしまう。

考えてみると、プラレールもそう。組み立ててる最中は完全に自分の世界に入り込んでしまいそうになる。

次はこのレール、その次はあのレールをつないで……と一心不乱に組み立てていると、近くに人がいても、その人の存在をすっかり忘れて楽しんでいる瞬間があるような気がするけど、そういう「空間的には、どんどん広がっていくし、他の人との共同作業で組み立てていくものなのかもしれないけど、同時に作ってる瞬間は自分だけの世界に一瞬入ってしまいそうになる」感覚、が共通して感じられる。

これも13日まで。


「都市のディオラマ: Between Site & Space」展
会場: トーキョーワンダーサイト・渋谷
スケジュール: 2008年09月13日 〜 2008年10月13日
住所: 〒150-0041 東京都渋谷区神南1-19-8
電話: 03-3463-0603

パラモデル 「Pなる想い」展

次、神楽坂のギャラリー「MORI YU GALLERY TOKYO」

こじんまりとした展示空間だが、絵、ドローイング、ミニカーなど、いろんな作品を見ることができる。

こちら↑のブログで、作品の一部を写真で紹介してくれているが、面白かったのが「大崎」(俺には「大山崎」みたいに見える気がする)と書いてある作品。

「書いてある」というか、これは一軒(?)の家の間取り図で、麻生総理の実家みたいな物凄く大きな家の間取りで字を書いているという作品。

こういう不動産の間取り図ってのも、プラレールや塩ビパイプの作品みたいに「上から目線」でジーっといつまでも眺めて色々妄想してしまう図柄というか形だと思う。

この展覧会、11日(つまり今日)までやってるらしい。


パラモデル 「Pなる想い」
会場: MORI YU GALLERY TOKYO
スケジュール: 2008年08月30日 〜 2008年10月11日
住所: 〒162-0812 東京都新宿区西五軒町3-7

「拡張された感覚:日韓メディア・アートの現在」展

で、最後が初台のICC

ここでは、冒頭で紹介したような巨大なプラレール作品をみることができる。

この展覧会、パラモデル以外の作品もとても面白かった。どの作品もよく工夫されていて、なかなか楽しいものばかりであった。

これは、来月、11月3日までやってる。


「拡張された感覚:日韓メディア・アートの現在」展
会場: NTTインターコミュニケーション・センター
スケジュール: 2008年09月23日 〜 2008年11月03日
住所: 〒163-1404 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階
電話: 0120-144199


ちなみにパラモデルとは関係ないけど、10月13日(月曜)まで、ICCでは、「HOW TO COOK DOCOMODAKE ?」っていう、ドコモダケ (ドコモの独りよがりなキノコキャラ)をテーマにした展覧会も開催中。写真撮影自由で、松井えり菜や近藤聡乃らの作品を見ることができる。

……んで、このパラモデル。どういう意図で何を表現している「アーティスト」なのだろうか。

「お互いが同じ空間にいるけど、違う時間で遊んでいて、それがある瞬間混じり合うときもある。模型や積み木で子どもがゴッコ遊びをやっているようなニュアンスですね。そういう遊びからフッと何か不思議なものに飛躍する瞬間があって、その辺のおもしろさをずっと考えていますね」

◇ ターナー色彩株式会社 ◇美術手帖

「誰もが知っているプラレールで、インスタレーション(仮設的な空間展示)というものをぐっと分かりやすくした」

「彼らがいると空間が一つにまとまる。今回の4カ所も彼らがつなげている感覚がある」……つまり、現代美術と社会をつなげる力。

「場所が変わると作品の意味も変わる」

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY200810020081.html

「型破りな3Dグラフィティ」

「このプラレールを使った作品も、基本的に子供の頃にやってた模型とか、ジオラマ遊び、ゴッコ遊びの延長線なんですよ。ほら、子供2人が一緒に地面に落書きしてる時に、もう1人の落書きと自分の落書きを組み合わせて遊んでるような。そういう意味で遊びに興じてる一種の「パラダイス」状態とも言えるし」

一見無機質に見えて、実は非常に手の込んだ作業を経ている、それは都市という存在にも同じく当てはまるもので、インパクトとは裏腹にとても奥深い

PingMag - パラモデル:レールで描くグラフィティ

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「都市」とパラモデルの作品を対比して考えてみるのは確かに面白そう。実際の「都市」は大人が「組み立ててる」んだけど、案外と子供が遊んでるような、幼稚な感覚で拡大している側面もあるのではないだろうか。

しっかし、同時にこれだけたくさんプラレール作品展示して、全部終わって撤去したら、すごいプラレールの山ができそうだ。