コンピュータ - 写真で見る歴史

今日は、本当は家でじっとしているつもりだったのだが、予定変更、東急ハンズに行ってシャワーヘッドを買ってきた。ついでに紀伊国屋書店・新宿南店を冷やかしに行ってみたら美術書売り場で「絶版大安売りワゴンセール」をやっていて、3000円の本が800円(プラス税)で売っていたので、つい買ってしまった。

コンピュータ―写真で見る歴史

コンピュータ―写真で見る歴史

これは美術書出版のタッシェンジャパンの本。テーマは「コンピュータの歴史」で、かなり初期の原始的なコンピュータからメインフレーム、ミニコン、パソコン、パーソナルデバイス(PDA、携帯)まで、まんべんなく取り上げられている。が、解説の文章は断片的で、技術的な視点で見ると、ちょっと物足りない。(また、誤植が多くお粗末な印象も受ける)

文章は物足りないんだけど写真は良い。とりあげられているコンピュータ全てが、当時は「最先端の超かっこいい・超すごいマシーン」だった、というのがよく伝わってくる写真ばかりが使われている。

ところどころに、映画のなかにでてくるコンピュータも紹介されていて、当時の社会のなかで、コンピュータがどのような存在だったのか示唆を与えてくれるところも良い。(2001年宇宙の旅とかWargameとかトロンとか)

この本で取り上げられているマシンの中で、俺が実際に触れてワクワクした思い出があるマシンといえば、シンクレアのZX81、アップルのLisa、XEROXのStar、NeXT Computerの初代黒Cubeあたりだけど、PDP-11とかIBMの360とか、もっと古いマシンであっても、当時の人は、すんごいワクワクしながら触れたんだろうなーってのがよく伝わってくる。

もともと「面倒な計算を自動的にやってくれる機械」ということで「スゲー画期的」って思われていた「電子計算機」が、汎用機が普及する過程で、軍事とか国勢調査とか、大規模・高度な計算をこなす機械ってことで、権威付けされていき、その「権威」が小型化して「スゲー」となったミニコン、それがさらに小型安価になって個人が入手できるようになって、「スゲー」と思われたパソコンが普及していく、と。そんな流れがよく理解できる。

そんな当時の人を驚愕させたマシンたちも時がたつと、確実に例外なく古びて(写真に写ってる当時の人のファッションとかヘアスタイルみたいに)新しいモノに置き換えられてしまう残酷さ、みたいなのが感じられる良書でした。

ここ数年はハードウエアのワクワク感というのは非常に低下していて(表示デバイスとか電池、入力デバイス(音声・映像)が進歩してくれば、面白いものが色々出てくると思うけど) 代わりに、ネット上のサービスの進歩が注目されてるような気がしますが……

SNSSBM、ブログなんて、ワクワク感は少なく、人間の不愉快でグロテスクな一面があぶりだされる上に、古くなるのも早そうな、そんなものばっかりで、2005年は、あとから考えるとちょっとつまらない一年だったなーなんて……思いたくないもんです。来年はなんかワクワクするものをいじくりまわしたい!!