レプリカ -真似るは学ぶ- 展・田所美惠子さん針穴写真展

京橋のINAXギャラリーで「レプリカ -真似るは学ぶ- 展」を見る。

古美術品の複製を作る技術を紹介する展覧会。寸法を正確に再現する、ってだけじゃなくて、雰囲気重視の再現法もあるらしい。色々勉強になる。(タミヤのプラモデルの話(コメ欄も参照)を思い出した。)

人面文土器 (じんめんもんどき)というやつが、なかなか抽象的というか現代的な人面表現で印象的であった。もっと本物がいっぱいあるとよかったんだけど。しょうがない。陶器つながりの展覧会って意味ではとても面白い展示。

このビル、最上階がギャラリーで、あとは全部INAXショールームになっている。景色がよい。

さらに一階には、本屋もある。彩色江戸物売図絵っていうのが面白そうだったので買ってみた。

彩色江戸物売図絵 (中公文庫)

彩色江戸物売図絵 (中公文庫)

江戸時代の物売り、行商の人の絵がたくさん載っている本。この本の著者は最近、浮世絵の模写作品、「著作物」にあたらず・東京地裁というニュースで名前が出た人。

この訴訟では、著書にのせた絵を無断で商品に使っていた豆腐屋を訴えたんだけど、「独自の創作的表現が付加されていない模写にすぎず、二次的著作物とは認められない」として、請求を棄却されてしまったとのこと。今回買った本も「模写に過ぎない」とは思うけど、色とか線とか、綺麗に整えられている。結構手間がかかっているような感じではある。

INAXギャラリー見物のあとは、「ポーラ ミュージアム アネックス」で、田所美惠子さんの針穴写真展を見る。

針穴写真で、静物を撮影した作品が主。針穴写真なので、やや、ソフトフォーカス気味だけど、かえって、「そこにモノがあったんだなー」という実在感が伝わってくるのが不思議。

あと、カメラ・オブスキュラを再現したものが置いてあって、これが面白かった。

針穴写真は画角とか、シャッタースピードとかからいって、街角の風景とかのほうが楽しいような気もするけど、こういう静物写真も面白い。