他人のブログのコメント欄で「駄目な画家」の陰口書いているやつの正体
少なくともプロ作家の養成とか美術関連への就職の為の美大だとしたら、そもそも、需要と供給の関係で考えても、……今のような大量の美大卒業生がいること自体がおかしいのである。
http://rblog-biz.japan.cnet.com/takahito/2007/05/post_2684.html#comment-1084408
(追記:
ひさしぶりにブクマしてもらったので読み返してみたが、URLが変わっているようだ。現在は以下のURLになっている。
また、コメントが途中でちぎれてしまっている。ちょっと検索してみたが、以下のエントリーのコメントと全く同じ文面だったと思う。
かなり頭の悪い発想。「油絵科を出さえすれば絶対画家になれる(べきである)」という発想ですね。(そういう発想がない人は学歴だけで職業が保証されるという(まぬけな)期待もないはずなので)
ほかも全体的に変なこと書いてるなーという印象。
まずボヘミアンな生き方を毛嫌いしているらしい、ということはわかる。
他人様の生き方に首を突っ込んであれこれいいたいタイプなのかな、という感じもする。大きなお世話だろーみたいな。
「夢を追ってる人が搾取される」ていうことは、「夢をあきらめれば搾取されない = 自分の取り分が増える」ということ。これは金の話。(夢の有無に関わらず搾取されるなら、こういう話にはならない)
でもこの人にそんなことが保障できますか? できるわけないですね。
「昔は……」とか書いてるけど、この人の脳みそで都合のいい「昔」をこしらえて、さも「昔はみんなそうだった」と言いたげな感じ。
こういう人は、自分が「理解できない」絵のことを「だめな絵」だと言いそうだ。(もしくは、「理解できない」と表明して、暗に自分の理解できるものが「良いもの」だ、と主張したがる陰険なタイプ)
さて、この人の長文コメントの最後に、名前と肩書き(らしきもの)が書いてある。
以下では、この肩書き、この名前の人が実際にこのコメントを書いたものと仮定して話を進める。
この人は一体何者か? 色々検索してみると、
1971年東京大学卒業、ある繊維会社に入社、1976年、損害保険会社に転職、広報部、経営調査室、人事企画部を経て、ある独立行政法人に監事として勤務。 (http://www.zam.go.jp/q00/back/20070322.htm )
という経歴の持ち主らしい。なるほど。典型的。いかにもって感じ。
損害保険会社ってとこは、夢をあきらめてやりたくもない仕事を嫌々やってる人が集まってるから、いつのまにか契約書の字が小さくなってしまったり、やる気がないから面倒くさくて保険金の払いが悪くなってしまって、それで金融庁に怒られたりするんですかね。
んで、嫌々仕事して面倒くさくて払い損ねた保険金とか、契約書の紙とインクを節約して浮いたお金を集めてきれいなビルを建てたり、給料を多めに分配したりしてそれで絵を買ったりできるんでしょうか?
その程度の倫理観の組織で生きてきたやつに、色々口出しされたくない、って思う人もいるかもしれない。
で、さらに、この人は文句を言うのが好きらしい。
まず、コレクター
いやがられるコレクターについて書いてみたい。まず、展覧会を見に来ているのに自分のコレクションの自慢話をする人。若い作家にとうとうと能書きをたれる人。これは困るというより個展というハレの場にいる作家に対し失礼である。
……次に作家を質問責めにする人。熱心でいいのだが度が過ぎると、知り合いの人や買いそうな人が来ても、その人が独占していて入る込むのが難しく帰ってしまったりする。
……そんな人は自分が帰った後、お目当ての美人作家のかわいい口から「あのくそじじい、やっと帰ってホッとしたわ」という信じられない言葉が吐き出される光景を想像したことがあるのだろうか。
http://www.artbazar-jp.com/sub/project01/014.php
美人作家のなかには、かげで「あのくそじじい、やっと帰ってホッとしたわ」と言っている人がいるかもしれないとのことです。
画廊も気に入らない。
意を決して中に入って……だれもいなかったりすると大変である。一瞬場違いのところに入ってしまったという後悔の念にかられ、奥から画廊の人が出てくる前に立ち去ってしまいたい気持ちになる。
受付にかわいい女の人がいたりすると、すぐ出る訳にはいかないし、バカにされるのもいやなので慣れたようなふりをして、一点づつ丁寧に見始める。
……普通の人にとって画廊とはこんな気持ちを与えるところであることを画廊の人はどこまで分かっているのだろうか。
http://www.artbazar-jp.com/sub/project01/006.php
これは画廊が悪いそうです。
「バカにされる」というより、「バカそのもの」という感じですね。
自分がこれはと思う作家を紹介し愛好家に見てもらったり買ってもらった
りすることの方に重きがあり、作家の代理というニュアンスが強いと思うが、
それにしてもあまりにお客のほうを向いていないような気がする。見せてや
る、売ってやるで、分からない人は相手にしないというスタンスに見える。画廊や美術館の人は一般のビジネス社会の経験がないから仕方がないが、
世の中はCS(顧客満足度)ブームであり、お客様の方をどれだけ見ているか
が大切になっており、その視点からビジネスのしくみを革新している。
損保のお偉いさんが、作家の「代理業」である画廊のCSについて論じる不思議。損保の代理店は客のほうを向いているとでも言うのだろうか?
んで、画家については、冒頭に紹介したとおり。
さて、この人は、なぜ絵を集めているのか。
一番分かりやすいのは投資のためという答えである。美術品は芸術作品であると同時に商品であり、土地や株と同じように格好の投資物件である。美術品を投資や投機の対象とすることをいかがわしいと考える人も多いと思うが、そのこと自体は別に悪いことではない。
http://www.artbazar-jp.com/sub/project01/002.php
この説明が、この人にとって「一番分かりやすい」のだそうだ。(これが一番なのか)
では私自身がなぜ絵を集めているかというと、ほとんど『病気』と言ってよく、最終的にどうするという明確な目的もなく惰性で集め続けている重症患者
http://www.artbazar-jp.com/sub/project01/002.php
しまいこまれている絵がかわいそう。
その一方で
戦後の高度成長とバブル経済を支えてきた戦中・戦後生まれの経営者やビジネスマンはエコノミックアニマルであり、文化的な素養を持った人物は稀である。バブル期には絵画ブームもあったが、成り金趣味とアートですら経済の一環と考えるもので真に文化的なものでなかった
http://www.artbazar-jp.com/sub/project01/101.php
などと言う。さも「自分は違うが」と言いたげだ。
ちなみに、去年買って読んだ本、TASCHENの "Collecting Contemporary"というインタビュー集では、以下の5人の「アート・コンサルタント」の話を読むことができる。
- Diego Cortez
- Mark Fletcher
- Sanford Heller
- Philippe Segalot
- Thea Westreich
ざっと読み返してみた感じだと、ほとんどが画廊勤務の経験があったり、昔アーティストだった、とか、そういう人ばかりだ。あたりまえだけど、インタビューの内容もマトモ。
日本の「コンサルタント」がこのレベルに達するのには何年ぐらいかかるんだろうか。(まあこいつはコンサルタントじゃないらしいから関係ないんだろうが)
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