Google考

アメリカの投資情報誌「Barron's」に、Googleの株価の将来について、悲観的な記事が掲載されて、株価が急落しているらしい。

Shares of Web search leader Google Inc. -- off 24 percent from highs set last month -- could face a further 50 percent decline, Barron's said.

先月の高値から24%値下がりしたグーグル株が、さらに50%値下がりする
可能性がある、と雑誌Barron'sは伝えた。

Google shares may fall another 50 pct - Barron's (グーグル株、さらに50%値下がりの可能性)

株価は、あくまで投資家の「Googleの将来」への期待を表していて、会社の実態を表しているわけではないと思うけど。

記事では、

  • Yahoo、Microsoftが検索技術で競合
  • 広告サービスでの「クリック詐欺」に対して脆弱
  • 出版社、ケーブルTV、電話会社との紛争

などを懸念材料としてあげているらしい。昨日の日経の記事では、他にも人員大量採用、ストックオプションの費用計上が不安材料だ、としている。

Googleのアドバンテージといったら、なんといっても検索技術だ。これで大勢の閲覧者を集めて、AdWordsで広告を売るというビジネスモデル。この優位性が崩れない限り、Googleの将来は安泰だと思う。

ただ、最近ちょっと思うのは、それ以外の技術は、実はそんなに優れていないような気がするってこと。最初に「おや?」と思ったのは、「Google Reader」を見たとき。これぐらいだったらGoogle以外で、もっと優れたものを作れるところはいくらでもあるだろうな、と思った。(Googleが1998年に登場したときのインパクトと比べると……)

Google Mapも、非同期でデータを取ってきて画面を更新する技術は凄いんだけど、地図のインターフェイスとして、世界最高レベルのスムーズさでグリグリできるかっていうと、そういうわけでもない。(Googleが1998年に登場したときのインパクトと比べると……)

Gmailは、GFS (Google File System)が凄いおかげで容量が凄いことになってるけど、ウェブメール自体は、インターフェイスの作りこみは良くできているにしても、存在感として、(Googleが1998年に登場したときのような) 「真似の出来ない」アドバンストな技術って感じは、個人的には、しない。

Google LocalとかFroogleなどの、現実世界の情報検索技術には将来性を感じるけど、網羅性が低いうちは100%頼りにすることはできない。(ウェブ検索におけるGoogleの存在感と比べると……)

結局、これらの周辺サービスは、ウェブ検索の優位性というか、存在感のせいで、過大評価されているところがあるんだと思う。

さらに言うと、俺が今、一番あやしげだと思っているのが、Google Translateの次期バージョンというやつで、これは、国連の文書(などの)大量の文書を統計的に解析して高品質の翻訳を実現する(予定)という話なんだけど、本当にできるのかしら? と思っている。

クリック詐欺にしても、「アドセンス狩り」のような不正アクセスを見つけて契約解除にする、といった事例があるようだけど、不正アクセスが見分けられるのなら、そのぶんを数えなければ済む話のような気がするのに、そうしないのはなぜなんだろう。(Googleが「不正アクセス分は数えてませんよ」といっても広告主が信用しないから? だとすると、契約解除は広告主に対するポーズなんだろうか)

俺が一番不思議なのは、世界最高レベルの優秀な人ばかりが集まっている会社がやることにしては、意外とパッとしないな、ということ。そんな偉そうな事いえた立場じゃないけど。

これは、どんなに優秀な人でも、凄いものを作るのには時間がかかる、ということなのか、それとも、優秀な人でも10割の打率で凄いものを作れるわけではない、ってことなのか、どっちを意味しているんだろう。