ネットにはサザンクロスシティという居心地の悪い街「しか」存在できないのか

この話、どこから出てきた話かわからないので、きやすく言及していいのかどうか迷うが、最近考えているところと関係していたのでまとめてみた。

ネット = サザンクロスシティ

id:otsuneさんの「ネットの世界観」は、ネット(ネット上の言論空間)のすべてはひとつの街(村?)で出来上がっていて、その街の名前はたとえて言うなら「サザンクロスシティ」なのである、というものだ。

大雑把に言って、俺も現状、基本的にはネット上には「ひとつの街」しか存在していないんだと思う。

一方、現実世界では「ひとつの街しか存在しない」ということはありえない。

歌舞伎町のような「物騒なまち」があったり、青山のような、こじゃれたまちがあったり、門前仲町のような庶民的なまちがあったり。

日本以外の国では街ごとの雰囲気の違いは日本より大きいだろう。(よくしらないけど、NYのブロンクスとか)

さらに、ここでいう「まち」を「人が集まって生活する空間」と考えると、例えば、会社の雰囲気の違いなんてのも大きいはずだ。八頭身の美人のお姉さんが集まってる外資系の会社にがさつな工事の業者が入ってきたりすると、「違い」を実感したりする。

「そういう時代」とはどういう時代か

さてここで、id:rnaさんの「そういう時代じゃない」という言葉の「そういう時代」ってはどういう時代なのか。

俺の感覚で言うと、昔はネット上の言論空間で暮らしている人たちの構成は、似たような人ばっかりの均質なものだった。俺の知ってる「Internet」の話をすれば、93年〜95年くらいまでの話。

その後、徐々にいろんな世界の人が入ってきた、という印象。それでも97〜98年くらいまでは、まだ、みんな「物好き」である、という共通点があったような気がするけど、99年以降は完全に一般化したといってよいだろう。

要するに、青山の人も、歌舞伎町の人も、外資系のお姉さんも、業者のオッサンも、(そして子供も) みんなが集って、立場や考え方の違いを楽しんだりしながら、がやがややっている、という時代。

もう「そういう時代じゃない」のではないか、と。

外資系お姉さんだって、たまに業者のおっさんと猥雑な話をするのは、気分転換にいいかもしれないが、いつまでもいつまでも同じ空間でお喋りし続けるのはキツいだろう。これはオッサンにしても同じ事のはずだ。

結局は同じ話?

さらに、Otsuneさんが言及されていること、つまり、業者のおっさんとか、外資系のおねえさんが、それぞれの立場で金銭的な利害が対立する相手について、でたらめな批判をしたり、うわさを流したりし始めている、ということがある、と。

「手斧を持ったプロテクター姿の」人が、いままでとは違った意味合いで、現実世界の利害関係をもちこんで暴れはじめているわけです。

俺はid:rnaさんとid:Otsuneさんは、同じ状況について話をしているんだと思います。

割れ窓理論みたいな話です。id:Otsuneさんは、「この街は窓も割れてますし、物騒な人も多いんですよ。隠蔽しようとしても事実は変わらないでしょ」と言っていて、id:rnaさんのおっしゃっているのは「物騒な街を放置しておくのは醜いですよ。現実世界に即したレベルで街を浄化する方向性でいかないと」という話なんではないでしょうか。

解決策はあるのだろうか

住む世界が違う人が、立場を超えてコミュニケーションする、ってのは、いっとき、非日常空間で交流するだけなら、いいんですが、ずっと一緒は無理です。

もし、これから日本が、格差の広がる社会になるなら、なおさらです。

社会自体が、タイタニック号の一等船室と三等船室みたいなことになってくはずです。

その時、ネット上の言論空間全てがひとつのまちで、それが「サザンクロスシティ」だけなんです、というのでは、ニーズにこたえられない。

例えば、お金持ち専用の、結構高額の有料SNSみたいなところを作って、そこでは、お下品な話はしない。モヒカン的ふるまいは慎みましょう的な、なんらかのクローズド空間を作るしかない。

そういう意味で、近年のSNSの広がりは、「できるべくしてできたサービス」で、これから数年かけて、洗練された差別化を提供する方向性で改良されていくんだと思う。

それで解決できるのかどうかはわからないけど、ネット上に存在できるまちが「ひとつだけ」であるのは、現状ネットの大きな欠点であるとは思います。

長期的に考えると、「このまち」になじめる人だけ残って、そうでない人は去るしか選択肢が無いという、窮屈な世界だということになってしまいますから。

(追記: 読み返してみるとなんだか、意味不明な文章になってしまってるが、要するに「醜い戦争反対派」の人だけを囲い込んだ平和なコミュニティをネット上に作ることはできないのだろうか? ということ)

さらに追記: この↓お話はとても興味深い。
mixiが2ちゃんねるを駆逐できない理由