「私のいる場所 - 新進作家展vol.4 ゼロ年代の写真論」 (東京都写真美術館)

恵比寿の東京都写真美術館で開催中の展覧会、「私のいる場所」展に行ってきた。

東京都写真美術館 『私のいる場所―新進作家展vol.4 ゼロ年代の写真論』

3F、2F、B1と、展示室全部で行われている展覧会。国内外の新進若手写真家計13人、プラス「1プロジェクト」と「1グループ」の写真を紹介。

会場は3Fから順に見るようになってるんだけど、B1の、みうらじゅんの写真が一番面白かった。

会場で音立てちゃいけないと思って必死に笑うのを我慢してたんだけど、えなりかずきの写真を見たら、もうだめだった。帰りに思い出し笑いするくらい、かなり笑えた。外国人のお客さんも結構いたけど、彼・彼女らは笑えただろうか? これ↓が写真集かな?

アイノカテゴリー

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2Fでは、ジャクリーヌ・ハシンク (Jacqueline Hassink) の写真が面白い。2000年当時のNetscape社内で使われていた「マイ・コーヒーカップ」たちの写真。ノベルティ系が多いけど、なかには、日本語が書いてあるカップも。懐かしのTaligentのカップもあったりして、時代を感じさせる。

同じ作家の写真で、フォーチューン500(欧米の一流企業)の女性幹部の「仕事場と自宅の写真」というやつも、とても興味深かった。ヨーロッパの資源・エネルギー系の会社の役員をしてる女性の仕事場(会議室)と、自宅(客間・ダイニング)の写真。ファニー・メイの女性副社長の仕事場など。

日本からは、IBMのアジア・パシフィックのディレクターをしてる方(客間がハイソな感じ)と、西友の副社長だったかな? 面白い。

3Fでは、アントワーン・ダガタ(Antoine D'Agata)の写真の解説パネルに目が留まった。

「我々が見るものは、目の前にあるものではなく、むしろ我々自身である」

俺の解釈で言えば、例えば、現在・将来の俺の振る舞いを決めるのは、俺の経験とか知識とか、その他諸々だろうけど、たとえば、昔あついヤカンに触れてやけどをしたら、次からはヤカンには触らないという行動パターンになったりする。

俺の目から入った過去何十年分の映像情報が、俺の行動パターンの多くを決める「もと」になっている。(ような気がする) 昔見たあついヤカンは、目の前にあったものというより、俺の一部といってよいかもしれない? というような話だろうか。

そのアントワーン・ダガタの写真は、というと、黒人のお姉ちゃんの裸と、フロム・ダスク・ティル・ドーン [DVD]みたいな感じの砂漠っぽいさびれた風景。

こういう映像情報見ながら生きてる人もいるんだよなーと思うと、感慨深い。

他の写真も、染谷亜里可さん、姜愛蘭さん他、どれも面白かった。4月23日(日曜日)まで。