異才発見−竹原チョーフウという画家がいた!

こないだの日曜は練馬区立美術館に行ってきた。

異才発見−竹原チョーフウという画家がいた! という展示を見に行ってきたのだ。

ウェブサイトに載ってる絵を見て、ほーっ、こりゃ素敵じゃのう、と思ったのだが、それほど期待はしていなかった。なんとなく、古臭くてかび臭い、辛気臭い絵が並んでるのかもしれないしなー、とも思ったから。

展示は、それほど広くない部屋に30点ほど。これらの作品は美術館のコレクションで、この展示は企画展ではなく「常設展示」扱い。料金無料だった。

で、肝心の絵だけど、これが予想外に印象的だった。かび臭いどころか、どの作品も、とても生々しく、美しく描かれていた。

対象を見つめる眼に、哲学的というか、自然科学系の学者的というか、自然に対する畏怖の念が感じられる。

竹原嘲風(竹原啁風) は大正から昭和初期にかけて、そこそこ結構有名な画家だったらしい。上記ウェブサイトにもあるが、終戦直後、写生旅行中に病気で亡くなってしまう。

2004年にちゃんとした企画展をやったらしく、その図録を買ってきたのだが、図録には、死の直前、旅行先から家族に宛てて書いた手紙が載っている。(今回の展示でもこの手紙が展示されていたかもしれない。よく見なかったので(字がよく読めなかったので)はっきりしないが)

(病気で苦しみながら旅行を続けている、という話のあと)

益々弱るからだにむちうちて地極のような気がする

生業である故にそのなかでいい絵を描こうとがんばることも

はかない夢の仕事人生には休養はなきものかとつくづく思ひますよ

なんでこんなに真面目に生きられるのか。世の中立派な人がいるものだ。これくらい真剣にやらないと、後世に残るものはつくれないんだろうな。

展示は4月16日(日)まで。美術館には駐車場は無いが、近くの千川通りにたくさん駐車帯があるのと、美術館の近くにコインパーキング(Times)があるので車でいっても平気だと思う。