アフリカ・リミックス展、森美術館

森美術館のアフリカ・リミックス展に行ってきた。

アフリカってのは、ヨーロッパのはしっこにひっついている未開のイナカで、色々ダークな歴史があったりもする地域である、みたいな。

ヨーロッパから見たアフリカってのは、そんな感じの位置づけだったりするのだろうか? と感じた。

俺は、アフリカのことは全く知らないし、ヨーロッパとアフリカの関係もいまいち理解していないので、間違っているかもしれないけど。

アフリカで活動しているアーティストの作品ばかりを集めたのかと思ったらそうでもなく、アフリカ出身で現在ヨーロッパに住んで活動中、みたいな人も多いみたい。やっぱりヨーロッパ的なアフリカの解釈って感じがしたが、どうなんだろうか。

俺が気になるのはヨーロッパ対アフリカって構図の展覧会で、(そういう展覧会だと仮定して) 日本人は、これをどうみるのかなと。

デヴィッド・エリオット館長は、「名誉白人」って言葉にどういう感情をいだいているんだろう、みたいな。そこまでの意図があって日本に持ってきた展覧会じゃないんだろうけど。

アフリカ美術といえば、鮮やかな原色に彩られた土着的な仮面や木像、装飾絵画などを想起したものだった。そこには、かつての植民地宗主国たる西欧のアフリカ観が、そっくり反映されていたといっていい。

(中略)……

90年代以降は、アフリカ美術をもっと同時代的な視点で見つめようとする試みが、徐々に手がけられていく。だが、未開の土着性という偏見こそ退けられたものの、今度は飢餓やエイズ、部族抗争による難民といった悲惨さが、新たなアフリカの紋切り型イメージとして浮上した。

現代アート考:アフリカ・リミックス展 際立つ表現の多彩さと独自性−学芸:MSN毎日インタラクティブ

んで、今回の展覧会は、これら紋切り型アフリカ観から脱却した「開放性」をキーワードにした展覧会である、と。

それでも、全体の半分くらいは伝統的アフリカ観が反映してる作品だったり、政治的メッセージが入っているように感じられる作品だったりした。

残りは(例によって)よくわからない作品が色々あったが、そういうのは楽しく見物できた。

勝手な言い草かもしれないけど、1500円払って高層ビルの最上階で血塗られた歴史に思いをはせるってのはどうも、いかがわしい感じがして、そういう作品はあまり真剣に見なかった。

このサイト↓に、今回の展覧会の作品の写真がたくさん載っている。(全部じゃないような気がするけど)

Africa Remix: Tour through the Exhibition

印象に残ったすてきな作品は……

Jane Alexander → いろんなものを引きずってる人がちょっと重い感じだけど、不思議空間が面白い。

Meschac Gaba → これは、金のフランスパン、銀のフランスパン、普通のフランスパン。俺が落としたのは……って、普通のフランスパンでいいや、みたいな。

Yto Barrada → この左の写真が面白かった。他の写真も見入ってしまう。

Wim Botha → これは、写真でみただけだとわからない、ある仕掛けがしてあるんだけど、それが面白かった。上品で残酷で、、、ヨーロッパに対する風刺的な意味合いもあるのかなあ。でも上品でいい感じ。これが一番印象に残った。

Franck K. LUNDANGI → いかにもって感じのそれっぽい絵。いいなあこういうの。

Joël Andrianomearisoaモノリス空間

他にも色々あった。面白い作品が多い展覧会だったなー。