ポップアート展 新宿損保ジャパン東郷青児美術館

ポップアート1960’s→2000’s 」 損保ジャパン東郷青児美術館にて。

リキテンスタイン、ウォーホルから最新の若手まで」

新しいものと古いものについて考えさせられる展覧会。

センセーショナルに登場した「新しい」アート作品が、何十年もたつと古びて見える、というのは面白い現象だ。

中世バロック絵画も、描かれた当時は新鮮な「最新の作品」だったんだろうなあ、と思わされる展覧会。

デイヴィッド・ラシャペル(David LaChapelle)の一連の写真が面白かった。

どれも米国社会に対する風刺になっているような気がしたんだけど、実際のところどうなんだろう。

ところで、今回の展覧会で展示されている作品たちは、機械部品のカタログ販売で有名なミスミのアートコレクションらしい。

図録には、ミスミの創業者、田口弘さんが現代アートを集め始めたきっかけや、なぜアメリカの現代美術を集めているのか、などが詳しく書かれていて興味深い。

その田口弘さんは、絵画販売サイト「タグボート」の経営もしているらしい。

タグボートについて」のページを見ると、タグボートを経営しているのは「株式会社エムアウト」。このエムアウトというのは、マーケットアウトの略だろう。

マーケットアウトというのは、顧客中心主義、つまり「商品をどう売るか」ではなく、「顧客は何を求めているのか」を考えながら進めるビジネスのやりかたのことらしい。

日本のコンテンポラリーアートは非常に小さなニッチ市場であり……今後も市場そのものは立ち上がらないだろう

アート資本主義 アート市場をハックする試み(1)より

などと、結論から入るのではなく、「安心・納得」して絵を買える場があれば、マーケットが広がるだろうと仮説を立て、タグボートを運営している田口弘さんの考え方・その実行力は、さすが。すごいと思う。

ついでにいうなら、例えば、サムネールサイズ(例えばQVGA(320x240)とか)の作品画像を、クリエイティブコモンズなどのライセンスで自由に利用可能にしてくれれば、ブログなどで引用しやすく、マーケットが広がりやすいのではないだろうか。

一点ものの作品だったら、そのデジタル化の権利はある程度自由に取り扱っても、作品自体の価値が下がることは、あまりないんじゃないかな、と思うんだけど、どうだろうか。