親には薦められない、はてなブックマーク
はてなブックマークは母には薦められないし、父にも薦められない。(俺の父は何年も前に他界してますが……、、ま、これはたとえ話。)
ボクシングの亀田にすすめたって、楽しんで使ってくれたりはしないだろう。
もっと端的に言えば、俺は友達にも「はてなブックマーク」を紹介したりはしない。使うべき人は俺に言われなくても使ってるし。
「はてなブックマークって便利だよー」と、メールや口頭で人に紹介してる人って、どれくらいいるのだろうか、という気さえしてくる。
以上の話を換言すると、以下のようになる。
母にお薦めできる「はてなブックマーク」があったとして、その人気エントリー欄は、こんなふうになっているだろう。
- どこそこ公園でガーデニング博覧会開催中。珍しいバラの鉢植えが売ってました!!
- どこそこデパートで、どこそこ物産展開催中
- (自由が丘|代官山|恵比寿)の隠れた名店特集
- 京人形のできるまで
- 嫁・姑関連の愚痴ブログエントリー(オバサンが集結して炎上中)
俺の母は、あまり興味なさそうな気もするが……(あくまで一例)
(俺の死んだ)父にお薦めできるであろう、「はてなブックマーク」の人気エントリー欄の一例
- 今週号のScience、注目の論文「なになに」について
- どこそこ製薬の新薬開発情報
- どこそこ病院での医療ミスの事例報告
- 厚生労働省の人事について
- 医療関係の笑える都市伝説特集
こんな情報、どこみりゃでてるんだ、って感じだけど……(ま、あくまで一例)
ボクシングの亀田が喜ぶ「はてなブックマーク」があったとしたら、人気エントリー欄はこんなふうかもしれない。
逆に俺は、はてなブックマークが、上記のような情報で埋め尽くされていたら、たぶん、日常的に人気エントリー欄をみたりはしないであろう。というか、ハテブ自体、使わないであろう。
一方、例えば、社員が万単位でいるような巨大製薬会社に、はてなブックマークシステムが納入されて、業務の一環として使われたとしたら、そこで集められる「人気エントリー」は、俺の父が興味を持つ(かもしれない)情報になっている可能性は高いと思う。
ついでに言えば、どっかの製薬会社に勤めているおばさんだったら、「母向け」と「父向け」の両方のエントリーがまざっているようなはてなブックマークを求めるかもしれない。
「はてブの衆愚化問題」や「ロングテール」の話、また、「玉石混交」の話をするときに、対象が一軸になっているのはなぜだろうか。(つまり、自分にとって面白いかどうかというような見方だけになってしまっている)
まあ、それは「昔のはてブ」が「自分にとってぴったり」だったから、だと思うのだが、それが時間がたつにつれ、つまらなくなっていっているのだとしたら、それは人気エントリーを算出する母集団の構成が変わってきたからであって、つまり、「昔の構成メンバー」のブックマークだけを抽出することで、昔のような「質の高いはてブ」を再現できたりするのではないだろうか。
- 「初期からはてブに注目していたようなアルファな人たち」
- 製薬関係
- おばさん関係
- スポーツ関係
ユーザーを、ゆるーくグループわけして、「それぞれの人たちに最適なはてブ」を作るのは難しいだろうか?
不特定多数の無名の叡智とか、そういう熱いコンセプトの着地地点が、寝ころがって口をあけていれば美味しい餌を放りこんでくれるような豚製造機みたいなところには、最近のWEB2.0はガッカリなんす。
はてブユーザーがどんどん増えていって、数百万ユーザーになったとき、抽出される話題は、 http://kizasi.jp/ でリストアップされているようなつまらない話題ばかりになるだろう。
ロングテールとかいうなら、それは非常に少数のアルファな人だけを抽出した小さなグループを作り出すシステムが必要ってことなんじゃないかと思う。そのなかだけでブックマークを交換するようなやつ。その「アルファ具合」ってのは、ユーザーの属性によって見方が全然違うわけで。
「お気に入り」機能は、ちょっと似てるんだけど、なにか違う。それぞれのユーザの視界の範囲内しか見えないからだ。