畠山直哉・鷲見和紀郎展、神奈川県立近代美術館 鎌倉

神奈川県立近代美術館・鎌倉」にて、畠山直哉・鷲見和紀郎展を見る。

今回初めて訪れた「神奈川県立近代美術館・鎌倉」は鶴岡八幡宮の境内(?)にある美術館。

なので、まずは鶴岡八幡宮にお参り。かなりたくさんの人がいた。それなのに、すぐ隣の美術館は「今日は休みか?」ってくらい、がらがら。お客は、それっぽい学生風の若者が数人いただけであった。(朝10時ぐらいだったから?)

まず、畠山直哉展

畠山直哉の作品は、どこで見たか忘れたけど、どこかの鉱山みたいなとこを撮った写真を以前見たことがあるのと、趣味の「渋谷川研究」の資料として、写真集「Underground」を持っている。

Underground

Underground

今回の展覧会では、主に住宅を被写体とした写真が多く展示されている。

とても面白かった。

日本の一戸建て、日本の集合住宅、外国のお洒落建築、外国の集合住宅、と、世界の色んな家の写真を見ることができる。特に面白かったのが外国の集合住宅で、荒地や山の中に唐突に高層マンションみたいなのが建っていたりする。「眺望良好……だけど、近くにコンビニとかなさそうだよなあ……」って感じの微妙な住宅。

人の姿は見えないけど、「どんな顔した何人がどんなふうに暮らしているんだろう」と、色々想像してしまう。さらにずっと見ていくと、なんだかこれらの建物が「人間が作り出した無機質な塊」まるでサンゴ礁みたいな、抜け殻っぽい感じに見えてくる。

なんか宇宙人が地球を顕微鏡で観察しているような視線というか……、そんな「目」になってきたところで東京の都心の町の風景の写真を見ると、見慣れたいつもの風景が全く違う感じに見えてくる。

一方の鷲見和紀郎展は、モダンな彫刻。滑らかな形や、錆びてざらざらになった面や、でこぼこの形、まっすぐなものが白く光っていたり、色んな形を見ることができる。

これらの彫刻が面白く見えたのは、それが置かれている背景の美術館がとにかく古くて、鉄骨に錆が浮いていたり、壁面がざらざらになっていたりするのと対比して見てしまったから。

ちょっと調べてみたら、この美術館、竣工が1951年という超ふるい建築だった。

古い建物のザラザラ面と、人工的に作られた「作品」としてのザラザラ面の対比が興味深かった。

ちなみに、畠山直哉展の図録は「表紙が赤みがかっていたので印刷しなおしている最中」とのこと。(どっかのアニメDVDみたいだが、作り直すところはさすが)

というわけで、今売っている図録は「作家が認めていない表紙が赤い図録」ということになる。(といっても、素人目には特に赤くは見えない)

なんだか限定品みたいに思えて思わず買ってしまった。


畠山直哉 「Draftman's Pencil」

会場: 神奈川県立近代美術館 鎌倉
スケジュール: 2007年01月06日 〜 2007年03月25日
住所: 〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53
電話: 0467-22-5000 ファックス: 0467-23-2464