中村宏展、MOTアニュアル2007他、東京都現代美術館

今日は、清澄白河方面で、色々見た。

中村宏 「図画事件」展

絵がどうのこうの、っていう以前に、描かれていたものに対して全く興味が湧かなかった。

……などが描かれた作品。

どうしてなのか理由はわからないけど、これ全部、俺がまーったく興味を感じないものばかり。それが見事に揃っていた。

面白いことに、これらの事物って、どれも情熱的に愛好したり、研究したりするマニアがいるものばかりだ。なんで俺、これらの物事に興味が無いんだろう? 不思議。

女学生と蒸気機関車って、どういう食いあわせか、わからないけど、蒸気機関車の絵をいっぱい見た後に女学生の絵が目に入ってきて、「あー女学生かー」っと、なんとなく納得してしまった。(なんでだろう?)

専門的なことはよくわからないけど、いま、展覧会のサイトを見ながら思い出してみると、広角レンズとか望遠レンズとか、そういう「平面への投影手法」に対する強い意識が感じられる。平面に投影して描く手法をメタ的にとらえて、立体の実世界との関係について、色々試行錯誤というか、表現に面白い工夫が盛り込まれた作品が多かったように思われる。対象を描く線や色も、今考えると面白かった。

邱黯雄展

中国のアーティスト、邱黯雄のアニメ作品。水墨画風に戦争を描いたもの(イラク戦争?)。とても興味深い表現だったけど、戦争はちょっとね。他の作品がもっと色々見たかった。

MOTアニュアル2007 等身大の約束

加藤泉の作品の不気味さだけが頭に残ってしまった。決して嫌いなイメージではないのだが、大きすぎるように感じられた。ほかのかたの作品が全部加藤泉の作品と結びついて頭に残ってしまった。

常設展 MOTコレクション「闇の中で in the darkness」

常設展示の二階、「闇」をテーマにした展示。これはとても面白かった。

ただの常設展じゃないって感じ。ほとんど企画展並みに凝ってる。作品も盛りだくさん。草間彌生の作品も「闇」をテーマに、くらーい雰囲気で展示。面白い。二階の最後の宮島達男の部屋では、わざわざ作家から作品を借りてきて、それをいつも置いてあるやつの横に置いて、いつもと違う雰囲気を演出している。

続いて小山登美夫ギャラリーへ。

小山登美夫ギャラリー「Portraits from China」展

中国の作家さんの作品。中国でミッフィーの絵ってのは微妙な感じがした。

あと、ふつうのお姉ちゃんを描いた油彩があって、ふーんと思って、値段を見てみたら、ナナナント、うん百万。あれは有名な作家さんの作品だったのだろうか。

かとうみか展

この人→ http://www.tomiokoyamagallery.com/artists/kato/jpn/MKato_j.html

よく見るお人形さんの絵がなかった。かわりに、絵のもとになってる、実際のお人形さんが展示されていた。(記憶が間違ってなければ、たしか、このお人形さんを写真に撮って、それを描いているんだったはず)

ちなみに、この小山登美夫ギャラリーが入ってるビルって、倉庫なんだけど、今日行ってみて、いまさらながら、なぜ倉庫にギャラリーが入っているのかが理解できた。

なぜって、外国から、ばかでっかい木箱が大量にギャラリー宛に届けられていたから。考えてみれば、でっかい商品を右から左に売りさばくんだから、倉庫は必須だ。(人間用のエレベーターしか無いビルじゃあ在庫の出し入れにも困るだろう)

現代アートの市場規模

よく、日本には現代アートのマーケットが無いから云々とかいう人がいるけど、現代アートの画商って、びっくりするほど物凄い利益を上げてるかもしれない。と、大量の木箱を見て思った。

もちろん、世界規模の話をすれば、日本の作家の作品は、マーケットが小さすぎて正当な価値(値段)が定まらなくて困ってしまう、って問題はあるんだろうけど、その市場の歪みを利用して言い値で売れるわけだよね。買う人さえいれば。

現代アートの市場が小さくて困る人って誰だろう。売り出し中の作家さんは、市場が小さくて困るなら英語版のウェブサイトを開設して作品ファイルを公開したらいいんじゃかなと。

買うお客は……市場が小さくて困るってより、絵をかけておく壁がなくて困るって感じじゃないか。

「いやあ、最先端の現代アートを欲しがる客が多すぎて、さばけなくて困ってるんですよ!!高いものから順に売れちゃって!!」なんて外部の人に嘆く画商がいるわけないよね。もし実際にそうだったとしても。

俺が金持ちだったら、やっぱ外国の現代アートなのかなあ。金を出すとしたら。と、外国から届いた木箱を見て思った。なかみはなんだったんだろー気になる。