小笠原さくら展・ART TRACE(両国)

急に江戸東京博物館に行きたくなり、Tokyo Art Beatを開いて近場でついでにいけるところを探していたところ発見したのがこの個展。

サイトに掲載されている絵がなんとなく「頭痛の絵」のように見えて、これは面白そうだみてみよう、と思い立っていって見てきた。JR両国駅から徒歩9分って書いてあるけど、そんなにあったかな? って感じの、意外とすぐいけるロケーションにあるギャラリー。

実際に見てみると(あたりまえだけど)これは頭痛の絵ではない模様。想像していたより大きくて立派な絵だった。

他の絵も大きくて立派で、いろんな感じで色が重ねられた上に人の横顔が線で描かれている。

ぱっと見た感じだと、ダイナミックで力強い印象を受けるんだけど、よく見ると、不安? というか、繊細な印象も受ける。

大胆な感じの筆遣いで、確信をもって堂々と描いているようにも見えるし、迷いながら描いているようにも見える。

色の雰囲気も、描かれている対象の人物と関係があるのか、それとも、純粋に自分の内面だけから出た色なのか、なんなんだろーという感じ。

安易な理解を受け付けないように感じられるところが面白かった。

日本の若いかたの絵を拝見してると、(こんなこと書くとえらそうだけど) 生真面目で、こじんまりと、お行儀よく、奇麗な絵を描こうとされるかたが多いように感じられる。だけど、小笠原さんの絵にはそういうのとは違う「kick」が感じられた。(ここで言うkickってのは、、Macに内蔵されてる辞書には「a thrill of pleasurable, often reckless excitement」っと書いてあるけど、そんな感じの。)

ただそれが純粋な欲求の表現なのか、描画技法を追及した結果行き着いた表現なのか、どっちなんだろー、というのは見ながら色々考えてしまった。

作品ファイルの解説文を拝見すると、色の重なりを意識して描かれているようだけど、きっと器用なかたで、写実的な絵をかくだけなら、ぱぱぱっと綺麗に描いてしまうんだろうなあという感じ。これはひょっとすると、自分の表現を捜し求める「挑戦」って感じだったりするのだろうか?

ギャラリーには作家さんご本人がいらっしゃって、コーヒーを入れてくださった。まったく想定していなかった事態でどぎまぎしてしまったが、のんびりくつろいでしまった。

他の作品をもっと色々見てみたかった。

小笠原さくら 「あなたは想像上のひと - I visualize what you are like.」
会場: Art Trace Gallery
スケジュール: 2007年02月01日 〜 2007年02月27日
住所: 〒130-0021 東京都墨田区緑 2-13-19 秋山ビル 1F
電話: 050-8004-6019