deviantARTの歩き方(その1)
今まで使ったことのないウェブサイトを開いて、そこに意味不明のリンクやボタンがいっぱいくっついてるのを見ると、一気にいじる気をなくして「あぁー俺も老化したなー」と気が滅入ってしまう。
そこでブラウザを閉じて「見なかったこと」にしてしまうとガッカリした気分だけが残ってしまうので、ちょっと頑張って研究してみた。
deviantARTというサイトのことである。
このサイトは何かというと、
What is deviantART?
deviantART is an online art community for artists and art lovers to interact in a variety of ways, ranging from the submission of art to conversations on a number of topics. In its purest form, deviantART is a means for expressing yourself in a variety of ways.
deviantARTはアーティストと、アート愛好家のためのオンライン・アート・コミュニティです。作品を登録したり、いろんな話題でもりがったりと、様々な手段でコミュニケーションできます。deviantARTは様々な手段で自己表現するためのサイトなのです。
DeviantArt
ってな感じか。(やや意訳気味ですが)
まず、開いて最初に出てくるページ。
Newestは、最近登録された作品。Popularは、人気作品。Printsは、印刷して販売してる作品。Daily Daviationsは、今日のお薦めみたいなものか。
ここでPopularを選んでみる。
左上のCategoriesボタンを押すと、作品のカテゴリーを選べる。
Time Range の24 hours, 2 days, 3 days...のところを選ぶと期間を選べる。1 monthを選べば、最近1ヶ月間で人気の作品と。まあ、ここまではいいと思う。
ここで、Categoriesを選んで、Traditional Art→Paintings→Abstructを選んでみる。
で、このページだけど、「Gouch's Ghost by ~Iwanttobeabox」と書いてあって、「~Iwanttobeabox」がリンクになってる。クリックすると、この作品を作った人のページを見ることができる。
左の「i」のアイコンをクリックしても、その人のページへいける。額縁アイコンをクリックすると、その人の作品の一覧が。
んで、右下のほうに「Favourites: 2 [who?] 」と書いてあって、whoのとこをクリックできる。クリックするとこの作品をお気に入りに入れた人の一覧をみることができる。
その下には、Embedという枠があって、HTMLタグが入っているんだけど、これをコピペすると、この作品を「引用」できる。一応、作品登録のときに、Embedの枠を表示するかどうか選択できて、選択すると、
viewers can download it to (...中略...) feature it on their blogs and websites, and more, allowing you to reach as wide of an audience as possible
(Embedの枠を表示すると)作品を見る人が、ブログなどで作品をとりあげられるようになり、あなたの作品を見る人を増やすことができます
と、説明書きに書いてあるので、この枠がある作品は、まあ、一応「引用可」って解釈をしてもいいような気がする。(タグがFlashになってるのではてなには貼れないんだが)
で、各ユーザーのページだけど、「プロフィール」「ギャラリー」「お気に入り」「ジャーナル(ブログ)」から構成されている。
たとえば、上記の作品を作った人の作品ページがこれで、お気に入りページがこれ。
……と、まあ、「いかにも」って機能がそろったアート作品発表会サイトなわけだけど。
ジャンルは多様で(というか、基本的に「全て」あって)、アニメ絵から、各種ソフトのカスタマイズ用「スキン」とか、アイコン・壁紙の類。traditionalなものだと、絵画に加えて、写真、
この人は17才でイギリスで写真の勉強をしているらしい。かわいらしい。写真の左の「larafairie's prints」を選ぶと、この人の写真を購入できる模様。
さらに立体・彫刻(の写真)もあったりする。
ダンサーが踊ってる写真(長時間露光?)をみて作った彫刻らしい。
俺が個人的に面白いと思ったのが、「お気に入り機能」
これは、たとえば、現実世界の美術館に学芸員がいて、その人が「お気に入り」を展覧会に仕立ててお金を取ってお客を集める、という現行のアートの世界のシステムと対比すると、「革命的に面白いシステム」だと思った。
作品を作るアーティストにも当然お気に入りがあって、それは作る作品の雰囲気と近い場合もあるし、微妙に路線が違っていたりすることもある。また、前述したように、それぞれの作品について「お気に入りに入れたユーザー」を一覧することができるので、それぞれのユーザーのお気に入りセレクションを順に見ることができるんだけど、そうするといろんな趣味の人が同じひとつの作品を「お気に入り」に入れているのが見てとれて興味深い。
現実世界の展覧会だって、見に来るお客の「趣味」は多種多様で、いろんな見方をしているはずだけど、同じ絵を横で見ている知らない人の「お気に入り」を知ることは基本的にはできない。
この辺は、マスコミ対ブログなどの市民ジャーナリズムの対立と、同じような構図があるような気がする。批評家、美術雑誌、画廊に美術館がつくりだす既成の価値体系とは一線を画した多様な「軸」で作品を楽しむ場を提供しているのがdeviantARTだと言えるだろう。
このdeviantART、どういう生い立ちのサイトかというと、創設者の一人Angelo Sotiraのジャーナルに、物語仕立てで過去の歴史が色々書いてあるんだけど、このAngelo Sotiraっていう人、自己紹介によると
I've thought about nothing but the political, financial and life-cycle management of virtual communities from the time I was 12. I took what I loved most and I made it my profession.
政治、金融、バーチャル・コミュニティのライフサイクル・マネジメントのことばかり考えていました。12才の頃から。その一番好きなことを仕事にしています
って人らしい。かっこい〜。しびれた。物語がまたアメリカンな資金調達物語になっていてダイナミック。
このサイト、日本語・その他の言語の解説ページを入れたりするような国際化ってやらないのかなあ。こういうサイトって日本国内だけでやってもつまらないし意味無いから、ぜひ多言語化して欲しいもんだ。