小学校で英語を勉強する話
追記: なんか長くなって、内容もわかりにくくなってしまったので、先に内容を箇条書きでまとめておきます。
- 特別な英会話の勉強をしなくても、適当にしゃべってれば通じるし、それを続けていれば、なんとなくしゃべれるようになる、というのは正しい。(全く何も喋れないよりはまし)
- その話と小学校で(もしくは中学校以降で)英会話を教えるべきかどうか、また、その内容がどうあるべきかという話は全然別の話。
- 学校で英語を教えるときに、「話せる」ことを重視するのか、それとも旧来のやりかた、つまり「読解中心で、正確な文法・正しい英語を身につけさせる」のか(≒受験英語なのでマスターしてもしゃべれない) という対立軸で考えるのはおかしい
- なぜなら「話すための英語」を勉強するときでも文法は大事だから。
- 実例として、外国で使われている英語の文法の教科書・辞書をとりあげ、それを無料でダウンロードする(ことができるかもしれない)方法を紹介
以上。
……小学校の英語の授業の話。
読んでて、昔読んだ、ある本の一節を思い出した。
例えばの話である、あなたが教室の中に入ると、机の上に長さ10cmほどの竹片とカッターが置いてあり、先生がその竹片からカッターで非常に細い棒状の一片を切り出すようにいったとする。
どういうつもりなのかは良くわからないが、とにかく言われた以上、そうするしかない。そしてカッターを取り上げ、何度か失敗した後、ようやくそれに成功する。
すると次に先生は、それをバーナーで燃やして黒焦げの糸を作るように言う。依然としてそれが何を意味するのかわからないが、やはりそうするしかない。ところが黒焦げの糸は作ったそばからぼろぼろくずれてしまう。くずれてしまったなら、再び前の工程に戻って最初からやり直さなければならない。
こんなことを3回も繰り返そうものなら、もうあなたの神経は忍耐の限度を超えてしまうだろう。この場合、作業の難しさもさることながら、フラストレーションの主たる源は、先生が始めに、これから作るものが初期の白熱電球のフィラメントなのだということについて、一言コメントしておいてくれなかったことにある。物理数学の直観的方法 より
ひょっとすると、理系じゃない人のなかには、この話の最後のところの意味がわからん、ていう人もいるかもしれないけど。(そういう人は、黒焦げの糸をやりたくない丸暗記、白熱電球を好きな映画の英語のセリフとかに置き換えて)
……そして、そうやって英語が「伝わる」のが面白いと思って、もっと喋りたいと思ったら、とにかく単語を連ねていくことだ。「トイレ、ビュテホー、ナイス」。それで大体、喋れるほうの人間が理解して、後はぺらぺーらと喋ってくれる。
……だから、心配せず「は?」という顔をすればいい。もしもうちょっと丁寧に行きたかったら、「sorry?」といえば、もう一度言い直してくれる。"Say it again, please."なんて間違っても言わない。
http://d.hatena.ne.jp/letemp/20070307/1173255138
心配しちゃうんですよね。ちゃんと喋れないとみっともないという恐怖心が先にたってしまうので。(まあ子供はみっともないとか思わないかもしれないけど)
んで、だから、
先生に『なんて言っているんですか?』って聞いても英語でしか答えてくれないし。これじゃ、わかんないよ。
北沢かえるの働けば自由になる日記
例えば、6年生の最後の方では、「What do you want to be?」(将来の夢はなんですか?)と聞いて、「私は〜になりたい」と答えさせる。簡単な会話ではあるが、文法を一切やっていないし、単語練習もしていない子どもにコレを答えろってのは、厳しいと思う。
ちなみに、この間の授業で、娘は「この服は何色ですか?」と聞かれて、絶句してしまったらしい。
「ピンクはピンクでいいんだけど……
北沢かえるの働けば自由になる日記
こういう授業をやってるんでは。(英語ができない日本人の大人でも同じことになりそうだけどねえ)
勘だけど、先生が英語で答えて「わかりませーん」ていう、この話。
これは、外国の人としゃべって、半分以上通じなくても、心配せずにどんどん単語を連ねてしゃべっていけばなんとなく通じてしまうはずだという理論の「伝わる英会話」を体験してもらおう、っていう主旨の授業なんじゃないのかな。
んで、その目的が児童に伝わっていない、もしくは、最初はそういう慣れ親しむ目的だったんだけど、途中で目的が変わってしまって、文法中心の受験英語同様の評価システムを導入しようとして、英語嫌いの置いてけぼりの子をつくりだしてしまっているんではないか、と。
俺は前者なんじゃないかという気がするけど。(外国行ってから全くなにも話せず困るんじゃ遅いんで、とりあえず教室で外国体験してみましょう、みたいな話が親子に全然伝わってないんでは)
もし、後者だとしたら、つまりそれはこういうことが書いてあるから心配になってくるんだろうけど。
なんのための活動か、どんな力をつけたいのかといったねらいも成果も明確になっていなかったとの反省があったからです。
したがって、教育課程に位置づける以上は、先生方にはきちんと評価してもらいます。
北沢かえるの働けば自由になる日記
評価するのはいいんだけど育ててないじゃんかって話で。
もし本当にそうなら、悪いけど「教師が馬鹿」以外の何物でもないでしょうね。
そもそも
- 「コミュニケーションツールとしての英会話」→ 勉強しないで適当に単語を連ねていけばナントカなる。よその国の人はかなり滅茶苦茶な英語を話しているから気にしなくて良い
- 「試験のため、学問のための正確で間違いのない英語」→ 受験英語
っていう二項対立が、へんなかんじがする。
英語の先生が、こういう話、知らないはずないと思うので、なんか「日本の教育システムに幻滅してる」みたいな話なのかもしれないけど。
たとえばの話。
BitTorrentっていうパソコンソフトがあるんだけど。
まず、適当に検索してそのソフトを入れる。
つぎに、http://www.google.com を開いて "pirate bay" を検索。
一番上にでてくるサイトを開く。
検索キーワードに「 20 books for learning getting better at english 」と入れる。
結果をクリックして、緑の字の「ダウンロード」のリンクを、さっき入れたソフトに入力する。
すると、英語の辞書やら練習帳が二十冊ほどパソコンに入ってくる(らしい)んだけど。(どうでもいいんだけど、Pirate Bayの結果ページのコメント欄、「BinaryMoses」って人のコメントと、それに対する意見が面白い)
別に英語の文法勉強するのは「日本の受験英語」だけじゃなくて、「コミュニケーションツールとしての英語」であっても文法の勉強はやりますよね。実際外国の人はこういうので勉強してるんだろうし。(これを小学校でやれって話じゃなくて、こういうのの小学生用もあるんじゃないのって話)
なんで日本の英語教育は「二者択一」になっちゃうんだろ。
「innocuous idiot - 英語の話続き、少し英語関係のリンク」で紹介されている、外国に出かけてそこらへんの素人と知り合いになるのが「英語の習得法」っていうのもどんなもんなんだろうかと。(逆、つまり、日本語勉強しようとしてる人がそういう目的で友達になろうと寄ってくることを考えればうっとうしさがわかるはずだけど)
んま、結果として習得できるのは事実として確かにあるでしょうけど。
あと、日本人が英語ができないのは使う環境がないからだ、ほんとに必要になってから勉強すれば、それで十分間に合うから小学校から勉強する必要ない、ってのも。
一応、理屈自体は「真」なんだけど、必要になってからやれば間に合う「から」小学校から勉強する必要ない、って「から」のとこがへんですよね。
仮定の話として、小学校、中学校あたりから簡単な英語ができて、チャットだの、メール友達だの、ネットゲームだので外国の子供となかよくなったりして、世界が広がるんであれば、高校あたりで進路の選択の幅が広がってくることも考えられますし。
(子供の選択の幅が広がらなくてもいいよ、って親はこういう話は関心ないから、小学生で英語やらんでも、で終わるんだろうけど)
日本の公教育がどうの、日本人と英語がどうのって話もいろいろ書きたいんだけど長くなったので気がむいたらまたそのうち書きます。