イヌイットの壁掛け展 (カナダ大使館高円宮記念ギャラリー)

j0hn2007-03-10


イヌイットの壁掛け!! みてみたい!! と、かなり前からチェックしてたんだけど、平日しか開いてないギャラリーなのでなかなか行けず、最終日に、すべりこみで見てきた。

このギャラリーはカナダ大使館の地下二階にある。

青山の草月会館の隣の隣にある、このカナダ大使館。建物がやたらに立派。ビルの一部は「プラースカナダ」っていう賃貸ビルになっている。地下には大金持ち向けの「会員制高級クラブ」があって、エスパー伊東が披露宴に呼ばれた例のニセ有栖川宮の結婚式が開かれたのがここ。

その下の地下二階にあるのがこのギャラリー。天井が高くて静か。とても雰囲気の良いギャラリー。

展示されてる壁掛けは、とても優しげで穏やかな色と柄であった。描かれているのはシャーマンと自然・人間との対話、みたいなもんらしい。

こんな優しい雰囲気の壁掛けをデザインできるなんて、人徳ですなあ〜、と「人徳アート」という言葉が思い浮かんだ。

この壁掛けの邪心のなさと比較すると、日本のアートは、いっちゃわるいけど、まるで「背徳のゴモラアート」って感じだ。

たとえば、いま、都心の街路樹を指差して、「この木には精霊が宿っておるぞ」なんて言う人がいたら、こいつばかじゃないか、って感じがするけど、イヌイットの暮らす北極圏(ってどんな風景か想像つかないけど) の人々はいまでも普通に精霊と静かに暮らしてるんだろうなーと。

東京にも大昔は自然に宿る精霊みたいなのが人間と一緒に暮らしてたんだろうけど、それがいつか絶滅して、かわりに拝金教みたいな毒がはびこって、我々はそういうのに感染してるんじゃないか、(ビジュアルのイメージでいうと、下品な顔した芸術家の顔の、どアップが本の表紙になって、平積みで、ばーっとそこらじゅうに本が積まれていて、その本を開くと中には金の話が書いてある、みたいな感じ。邪悪だよなあ)

そんなイメージの対極にあるかのような心洗われる壁掛けアートであった。

会期は終わってしまったが、展示作品の一部が、ここ↓でみられる。

Irene Avaalaaqiaq MYTH and REALITY

その他ネットで見つけたイヌイットアート

Waddington's Inuit Art

Arctic Inuit Art

会期が終わってしまって残念。もう一回見たかったなー。

アイリーン・アヴァーラーキアク 「神話と現実」
会場: カナダ大使館B2ギャラリー
スケジュール: 2006年12月12日 〜 2007年03月09日
12月25、1月1日、2月12日は休館
住所: 〒107-8503 東京都港区赤坂7-3-38
電話: 03-5412-6200