岡本太郎「明日の神話」、デュマス「ブロークン・ホワイト展」東京都現代美術館

j0hn2007-04-29

常設展

おとといの金曜から始まった東京都現代美術館の常設展、なかなか面白かった。

入ってすぐのアトリウムにはスゥ・ドーホー(Suh Do-Ho)の巨大な作品が。これと似た感じの巨大な門の作品。 「2006年購入作品」と書いてあった。

ほかにも、かとうみか、奈良美智会田誠戦争画RETURNS、スペース・ナイフとウンコ。ヤノベケンジ八谷和彦エアボードなどなど。

日本の「現代美術館」らしい展示だーという感じ。

で、目玉が岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」。去年汐留で公開されていて、その後、倉庫にしまいっぱになっていたらしい。

個人的には、やっぱり戦争のイメージっていうのはウツになる。もし戦争がなかったらなんの壁画描いてたのかな……って思ってしまう。

この壁画は来年の4月までここで公開されるとのこと。

あと、アトリウムのところに椅子と白いパイプを組み合わせた作品があるんだけど、これは座って体験していい作品とのこと。椅子に座って白いパイプを耳につけると面白い音が聞こえる。不思議な作品だった。

マルレーネ・デュマス

企画展のマルレーネ・デュマス展もなかなか面白かった。

会場は、1階と3階で、まず3階から見るんだけど、面白いのが「2階」。

くだりのエスカレーターの途中の踊り場みたいな空間にテレビが置いてあって、デュマスのドキュメンタリーを流していて、それが面白かった。

デュマス(Marlene Dumas)って、恰幅のいいおばちゃんって感じの人なんだけど、デュマスが床に大きな紙を置いてしゃがんで絵を描き始める。で、「紙がでかい……」とか「紙が大きくて筆が届かない……」(といいながら、筆の柄のはしっこをつまんで、器用に顔を描いたりする)とか「だめだこりゃあ」とか、始終ぶつぶついいながら絵を描いてる様子が面白かった。

入って最初に3階に上がる前に、先に2階の映像を見たほうが楽しいんじゃないかって気がした。絵を描くときに考えていること、自分の人生など、かなり詳しく話してるし。

この映像は「Miss Interpreted」という60分のドキュメンタリーでギャラリー小柳のオーナーさんとかも出てくる。ここで見られるらしいけど(このサイト内の検索で dumas を検索すると出てくる)、お金を払わなきゃ見られないらしい。課金フォームの字が読めないので俺には登録できないが。

展示されている作品を見ると「死」のイメージが印象に残るんだけど、映像でDumasが話しているのを聞いた感じだと、彼女の関心は死よりもむしろ "youth" (若さ)にあるように感じられた。「死」はあくまで彼女の「人」への関心、若さへの興味から導き出された「必然」として描かれている、という感じだろうか?

そういったことを考えながら見ると、にじんだ顔のドローイングなどがとても面白く見えた。その多くは黒人の顔なんだけど、なかには人種がハッキリしないものもあったりする。南アフリカ出身の白人という、彼女の出自が反映されているのかなーという感じ。

タイ王国・現代美術展 Show Me Thai 〜みてみ☆タイ〜

地下では、タイ日修好120周年記念のタイ王国・現代美術展が。入場無料。

吹き抜け空間の展示物がなかなか面白かった。常設展で見たことある作品もいくつかあった。

結論

どの展覧会も面白かった。特に常設展。

「明日の神話」展
会場: 東京都現代美術館
スケジュール: 2007年04月27日 15:30 〜 2008年04月13日
住所: 〒135-0022 東京都江東区三好4−1−1
電話: 03-5245-4111