地味すぎ!! 気象庁柿岡地磁気観測所・一般公開

茨城県にある「気象庁柿岡地磁気観測所」が一般公開されるとのことで行って見てきた。

とにかく人がいない。

受付ものんびりムード。

この観測所では一体何を観測しているのか。ひとくちでいうと「方位磁針」(つまりコンパス)が指す方角を24時間体制で日夜観測・記録しているのだ。

これはヘンではないだろうか? 「方位磁針が指す方角」ってのは、常に「北」である。だからこそ方角を知りたいときに方位磁針を使うわけだ。その方角を観測するってのは、どういうことだろうか?

……という話については、実は、先週金曜の夜テレビでやっていた(B級SF映画で、ヒラリー・スワンクが出演していた映画の)「ザ・コア」でその原理が説明されていた。

ザ・コア [DVD]

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地球の中心、核では溶けた鉄がぐるぐる流れている(らしい)。それが「地磁気のもと」になっている(らしい)。んで、その地球の磁場は一様ではなく、場所や時間によって微妙に変化していると。

これはつまり、「方位磁針が指す方角」は、時と場所によって違ってくる、ということを意味している。

現在東京では、自転軸をもとにした「地理上の北」から西に7度ずれた方角を磁石は指す。これがニューヨークでは14度も西にずれた方角を指すらしい。ハワイでは反対に東に10度ずれているという。

もっと長い時間で考えると、以下のページの「海洋底拡大説」の項にあるように、地球磁場はかなりダイナミックに変化している。(これが「ザ・コア」のネタ元ですな)

参考: 解説大陸移動説からプレートテクトニクスへ

ふーん、そうなの。て感じだが、この観測所、意外と身近なところに関係していて、これが電車と関係しているのだ。

電車ってのは直流の電気で走っているらしいんだけど、架線に直流の電気が流れると磁場が発生する。それが観測所に影響すると困る。というわけで、常磐線つくばエクスプレスは、この観測所付近では、交流の電気に切り替えて走っているらしい。

まあそれも、別に鉄道マニアでもなければ直流だろうが交流だろうがどっちでもいいよ、って感じなのだが。

んで、この観測所ではどんなふうに地磁気を観測しているのか?

なんと、この「一般公開」では、その様子を見ることはできないのだ。観測システムは「メガネのネジの金属にも反応してしまう」ほど非常に敏感なため、近づくことができない。遠くから観測小屋を眺めるだけ。

この化け物小屋みたいなのは「実験室」。

大正時代に建てられた建物で、磁性を帯びる鉄などの金属が一切使われていない。関東大震災直後に立てられたらしいが、当然、鉄筋も無し。屋根は銅ぶき。

要は「一般公開」といっても、田舎の真ん中の草原に大昔の建物が建っていて、それを見るだけ。

(正確に言うと「だけ」というのは言い過ぎで、磁気の働きを体験できる子供向けの実験や、磁力計などの各種測定機器の展示、さらに観測所所長の先生直々の講演会なども開かれていた。観測小屋の前には解説パネルがあり、解説員が詳しく説明していくれる。また、↑この「実験室」はなかに入ることができて、中には磁力計が展示されており、その横には電気で走るミニカーのおもちゃが置かれ、電気が磁力計に影響する様子を詳しい解説付きで展示していた。)

ぽかぽかとした陽気で、自然も満喫してしまった。

参考

ちなみに、この観測所の近くには常陸風土記の丘って公園があって、記憶が間違ってなければ、かなり昔、サイゾーばかけんちく探偵団で、ここにある「我が国最大の獅子頭」がとりあげられていた。

なんかびみょーなエリアですなあ。