村田朋泰 「百色旅館−さむらいイカが通る−」(台東区谷中)
会場は地下鉄千代田線・根津駅から徒歩5分。こじんまりとしたギャラリー。
どちらかというと、映像作品がメインの作家さんらしいんだけど、今回の展示では、立体作品、油彩画なども展示されている。
今回はゲームコーナーを中心に、旅館のほんの一部をご紹介いたします。
GalleryJin -展覧会-
入り口を入ると受付がございます。浮かない顔の中年男が出迎えております。
正面と左とに扉がございますが、お客様はまっすぐ抜ける事はできません。
左に曲がるのみでございます。
申し訳ございません。左は当館のゲームコーナーとなっております。
壁には有名な方の風景画などございます。ジュークボックスで音楽や映像をご覧ください。
ゲームもございます。
いたいた、浮かない顔の中年男。いました。
ギャラリーのご主人かと思ったんだけど(電話取ったりパソコンいじったり、ふつうに働いていたので)
展示作品の一部なのか?
旅館の一部をイメージした立体作品が展示の主体。
なんというか、温泉地で酔っ払って、夜中ふらふら町を歩いて、視界に入ってくるキラキラしたもの、みたいなイメージ。
景勝地で知られる「三ノ函半島」は「100の名所」があり、今では半島自体が残像となりまして「幻想半島」とも呼ばれております。
tomoyasumurata | Exhibition
……という、架空の景勝地にある温泉旅館をイメージ。
ex-chamber museumさんのレビューを拝見して、なんとなく、きれいだなーと思って見に行ったんだけど。(これを見なかったらたぶん、行かなかっただろうな)
ex-chamber museum: review:村田朋泰展/百色旅館−さむらいイカが通る−《6/2、6/3》
暖簾の奥の、字が光ってる看板が面白かった。
色で身を売るスイカでさえも 中にくろうの種がある
という字がLEDで光っている。
で、その下に、ヘタウマ風の女の尻が描かれている。上品に下品が表現されているような感じ。
ジュークボックスは、お金を入れてボタンを押すと短い映像作品を見ることができるようになっている。
コインを入れてボタンを押す、小さい画面に「どんな映像が出てくるんだろう?」と期待させる、一連の流れの作り方がうまい。(画面が見やすくて大きかったらこういう雰囲気はでないような気がする)
ジュークボックスだけでなく、全体的に雰囲気作りが非常にうまいと思った。寂れた温泉街で実際に「リノベ温泉」プロデュース、とかやっても面白いんじゃないか。
油彩画に描かれたり、立体化して表現されている「ピンクのドロドロ」も面白い。
こういう温泉旅館って、「自分の外」に存在する風景としては、「昭和の古臭いぎらぎらした猥雑な空間」でしかないんだろうけど、その空間に身をおいて自分の内面に残るのは、こういうキラキラ、わくわく、(いまふうに表現すると「wktk」) したもの、一緒に行った人との思い出が、こんなふうにキラキラした結晶になってるんだよなあ、という感じ。ガサツで猥雑な年寄りと無垢な若者が交錯する夢の空間ですな。
女優さんを描いた小さな絵はかなり欲しかった。(がまんがまん)
『村田朋泰 「百色旅館−さむらいイカが通る−」』
会場: Gallery Jin (ギャラリー人)
スケジュール: 2007年06月02日 〜 2007年06月23日 17:00
住所: 〒110-0001 東京都台東区谷中2-5-22 山岡ビル1F
電話: 03-5814-8118 ファックス: 03-5814-8118