現代アートの展覧会「Basel Shift Festival」で盗難事件発生
スイス・Baselで開かれた、"electronic arts"の展覧会、Basel Shift Festivalで盗難事件が発生したらしい。
盗まれたのは、展示作品に使われていた本、"Steal this Book"
- 作者: Abbie Hoffman
- 出版社/メーカー: Da Capo Press
- 発売日: 2002/02/24
- メディア: ペーパーバック
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この本はUbermorgenというオーストリア出身の二人組のアーティストが制作した作品の一部だった。
このように保育器の中に本が展示されていたらしい。
Ubermorgenのスポークスマンによると、「Steal this Book」とはamazon.comで本の1部が読めるようになっているのはインターネットによる侵略作戦だということを表現していたもので、作品を盗んで欲しいわけではなかったとのこと。
「この本を盗め」というタイトルのアート作品が本当に盗まれる - GIGAZINE
「amazon.comで本の1部が読めるようになっているのはインターネットによる侵略作戦だということを表現していた」のではない。
A spokesman for the artists said: "The central part of the work was a book with the title 'Steal this Book' as a way of representing in art an internet hacking operation that made entire books readable on amazon.com, instead of just single pages.
"It was an attempt to praise those that fought for the right for literary freedom, and not an invitation to steal the book."
Ubermorgenのスポークスマンによると、この作品は「Steal this Book」という本を用いて、あるインターネット・ハッキングの作戦を芸術的に表現したもので、その作戦は、Amazon.com上の本を一冊まるごと読めるようにする(「なか見!検索」によって、一ページずつ読むのではなく、全体を読めるようにする)ものでした。
「これは、文学的自由のための戦いをたたえる試みであり、本を盗んでくれという誘いではありません」
http://www.ananova.com/news/story/sm_2573974.html
GIGAZINE語では「本の1部が読める」は「一冊丸ごと」って意味なのかもしれないけど。(「侵略」ってのはどっからでてきたんだろう)
で、このハッキング作戦ってのが、「Amazon Noir」ってやつで、
Amazonになか見!検索という機能がある。……この検索にクエリーを出し、そこから得られた結果ピースをクエリーに反映させることで全文を取得し、検索結果を統合すると書籍が再構築できてしまう。
Amazon NOIR - 不可視点
というものらしい。(サイト上では、今回盗まれた本、Steal This BookのPDFが公開されていたりする)
アビー・ホフマンの著作にも「Steal this Book」とう本があるのですが、今回の盗難事件をマネして万引きされるのを恐れて多くの本屋が入荷を拒否しているそうです。
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20071030_steal_this_book/
「著作にも」って書くと、今回の事件とは別の話みたいだけど
The book was written by Abbie Hoffman in 1970 and published in 1971...
この本は、アビー・ホフマンによって1970年に書かれた本で……
...Many bookstores refused to carry the book, because so many patrons followed the advice of the book's title and stole it.
……多くの客が本のタイトルのアドバイスに従い本を盗んだため多くの書店が取り扱いを拒否した
http://www.ananova.com/news/story/sm_2573974.html
アビー・ホフマンが書いた本が今回盗まれたんじゃないの。
あと、別に今回の事件を「マネ」したわけじゃないでしょ。WikipediaのSteal This Bookの項によれば、2002年に出版された本にこの話(書店が扱わなかった話)が書いてあるらしいので。
GIGAZINEの記事で元ソースが英文の場合は、速報性を重視しているからか、翻訳が間違っていたり勘違いしている事が少なくない。少し読めば「ああ、ちゃんと読んでないな、調べてないな、試してないな」というのがバレバレだったりする。毎日毎日あれだけの数の記事を量産しているのだ。一記事にかける時間不足は想像に難くない。
GIGAZINEは元記事が英文の時は疑ってかかった方が良い - 新しいTERRAZINE
これと全く同じことをやってますね。
しかし、色々検索してて、こんな文章をみつけたんだけど、
The work of modern art contains a now empty incubator which once held Abbie Hoffman's 1971 counterculture classic. According to a spokesman for the artist, his exhibit had been about hacking amazon.com and literary freedom, "not an invitation to steal the book.
この現代アート作品は、(アビー・ホフマンの本が入っていた、今はカラッポの)保育器で構成されており、Amazon.comへのハッキングと、文学的自由を表現したもので、「本を盗む誘い」を表現したものではないという。
Washington Post: Breaking News, World, US, DC News & Analysis - The Washington Post
なんか自作自演臭がする。警察に届けてないっていうし。どうだろうか。(勝手にPDF公開するってのはある意味盗むようなもんだし)