伝統と現代 - 水、墨、モノクロームの世界展、台東区・旧坂本小学校

「恐れ入谷の鬼子母神」のすぐ隣、JR鶯谷駅から歩いてすぐの「旧坂本小学校」が会場の展覧会。主催は東京藝大らしい。

いつも楽しく拝見している「はろるど・わーど」さんのエントリーを拝見して、こりゃ面白そうだ、と、早速見に行ってきた。

はろるど・わーど 「上野タウンアートミュージアム - 水、墨、モノクロームの世界 - 」 旧坂本小学校

なんだかよくわからないけど、いろんな作品が見られるらしい、ぐらいの軽い気持ちで見に行ったのだが、思ってたより盛りだくさんでおなかいっぱいになってしまった。

昔、小学校だった建物の教室20室以上に加え、廊下、階段なども利用して展示。アーティスト総数約40名と結構大規模。で、日本のアーティストが半分、残り半分が中国のアーティストというのが面白い。テーマは水、墨、モノクロームということで、抽象的な現代アートの展覧会。

日本からは、杉本博司のぴんぼけ写真、小沢剛が醤油で絵を描いたミニ凧(これを中国の凧と交換して、日中双方で飛ばした様子を展示) 小瀬村真美の写真(と、その写真がドローンと溶けていく様子の映像作品)など。元田久治の東京が廃墟になってるドローイングなども面白かった。

中国の作家は、知らない方ばかりでとても勉強になった。

特に印象に残ったのが、徐冰 (Xu Bing)の作品。「水墨画か? 墨がテーマですからねー! 」と近寄ってよく見ると、なにか繊維のようなものが見えてくる。さらによくみると、テープのようなもので繊維が貼り付けてある。なんじゃこりゃ? と裏側を見ると、こうなっている(下のほうの「制作風景」の画像)

これは「背後の物語」という作品。「Background Story 背后的故事 」←このページの画像の下の数字(1〜14)をクリックすると、作品を詳しく見ることができる。

そのほか、

などなど。中国の現代アートというと、バブルでどうのこうの、って話ばかりだけど、こうしてみると結構層が厚くて元気がある感じだ。専門的なことは良くわからないけど、やっぱり西洋の現代アートを色々研究して意識しながらやってるんですかね。例えば魏青吉 (Wei Qingji)の作品、

これは展示されていたのとは違うけど、これと似たものが数点展示されていた。西洋と東洋、とか、歴史の流れとか、そういう大きな社会構造の対立・変化みたいなものを意識した作品が多かったような気がする。(日本の作品は、そういうのが少なくって、自分の内面と向き合ったような作品が多かったような気がするけどどうだろうか)

なかなか盛りだくさんで贅沢な展覧会であった。(客が俺以外に一人しかいなくてほとんど貸しきり同然だったのもよかった)

11月30日(金)まで。(月曜休)

詳細: 台東区ホームページ 伝統と現代−墨、モノクロームの世界−

展覧会とは関係ないけど、会場の「窓」からみえる木の葉もなかなかきれいだった。会場の建物自体も歴史を感じさせる、懐かしい感じの建物でいい雰囲気だった。

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